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 梅林遼太さん(埼玉西武ライオンズレディース トレーナー)
投稿日 2025.08.18

女子野球トレーナー・梅林さんが語る、1252エキスパート検定で変わった視点と現場の手応え

埼玉西武ライオンズレディース・Baseball5「5STARs」でトレーナーとして活動している梅林遼太さん。女性アスリートと向き合うなかで受検した「1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定」。今回は、受検のきっかけや学びの実感、現場での活用、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。女子アスリートに関わる男性トレーナーとしての立場から、女性特有の課題を学ぶことで見えてくるものについてお話しいただきました。

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— 受検のきっかけは何でしたか?

梅林さん:
現場で女性アスリートと向き合うなかで、体系立った知識が必要だと感じたことが大きかったです。「1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定テキストブック(以下、テキスト)」の執筆者の一人である平井さん(平井靖子氏 株式株式会社WIS代表取締役)の存在や、執筆者、監修者の方々のリストを拝見して、今のスポーツ医学のパイオニアたちが関わっているので、「この検定に間違いはない」と思えました。

— 学びを通じて、どんな変化がありましたか?

梅林さん:
10数年前から婦人科に関連する知識について学び、また色々な書籍を読んできたのでテキストの内容はだいたい把握できていました。
ただ、私が携わる女子野球では、トップチームであってもドーピングチェックが義務づけられる国際大会への参加などは行っていないため、ドーピングに関する内容などは、今まであまり触れていませんでした。こうした部分は、専門家として知識を得て、対応する必要がたくさんある部分だと新鮮に感じました。
今後、女子野球がさらに発展していく中で、私も女子野球のトップチームに関わる立場として、こうした知識をしっかり学んでいきたいと思います。

— 1252エキスパート検定を受検いただいた際、知識の再整理という観点で、何か効果はありましたか?

梅林さん:
はい。テキストでは既知の内容も多かったのですが、女子アスリートを指導するために必要な知識として体系化されたことで、説明や指導がスムーズになりました。
また、女性アスリートや保護者の方に伝える際、検定の1級まで合格していることやそれに基づく共通言語があることで、信頼や理解を得やすくなったと感じています。

ー女子アスリートを指導する際の課題と1252エキスパート検定で得た知識が活かされる場面などありますか?

梅林さん:
やはり、女子アスリートを指導するにあたり、月経に関する問題は多いですね。たとえば、月経前にお腹が痛くなったりイライラしたり、あるいは貧血のような症状が出るなど、いわゆる一般的な不調はもちろんあります。
ですが、それだけではなく、月経によって体全体が重く感じたり、普段の活動レベルが落ちてしまったりすることがあるので、むくみのような症状も含めて、フォローが必要だと考えています。
また、生理前や生理中にパワーが落ちるというデータも多く出ています。
実際に、現場で腰を痛めたり怪我にみえるものでも、ホルモンの変動が影響しているのではないかと感じるケースもあります。
特に生理前は、ちょっとした動きでも違和感や痛みを感じる人も少なくありません。
そういった状況が改善されることで、パフォーマンスが安定した選手もいますので、こうした細かな身体の変化や症状に対するケアは、非常に重要だと考えています。1252エキスパート検定を受検するまでは、怪我と月経やホルモンの関係を結び付けて考えることがなかったのですが、1252エキスパート検定を通じた学びによって、このような点にも意識が向くようになりました。

ーその他、女子アスリートと向き合う中で課題はありますか?

梅林さん:
野球の場合には、白のピタッとしたユニフォームが多いため、選手本人も経血が漏れないか気にしています。ただ、ユニフォームを簡単に変えるわけにはいかないので、そこは難しいところです。
また、月経カップの使用などの話も出ますが、そこまで深く話せる関係性を作るのはまだこれからの課題だと感じています。選手とのコミュニケーションは進んできていますが、細かい部分まで踏み込んだサポートができていないのが現状です。その点については今後の課題として、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

— 今後の1252エキスパート検定に期待されるものはありますか?

梅林さん:
女子アスリートと向き合う中で、「情報がなかなか手に入りにくい」という課題があります。だからこそ、1252エキスパート検定の合格者や実践者同士の横のつながり、定期的に集まれる場づくりなどに期待しています。検定を受検して終わりではなく、その学びが定着するための仕組みがあれば良いと思います。個人的には、海外と比べて、リテラシーが十分でない領域でもあると思うので、その点を補完するコミュニティ作りなどが必要だと思います。

— 梅林様の指導者としてのお取組みについても教えてください。

梅林さん:
2024年から、指導者向けの講習を担当し、今年は「教える側」としての役割をさらに広げたいと考えています。その中で、女子アスリートの指導者にとって必要とされる知識など、1252エキスパート検定で学んだ内容を活かしつつ、1252プロジェクトと連携できたらと思っています。また、女子野球の現場でも、女性トレーナーを増やし、トップカテゴリーからグラスルーツまで、そしてその逆も同様に知識を循環させる「トップダウン×ボトムアップ」の両輪で、変化を起こしていきたいと思っています。

—1252プロジェクトで学ぶ意義と、1252エキスパート検定の受検を迷っている方へ、メッセージをお願いします。

梅林さん:
監督や指導者、専門家であっても、指導経験が十分ではない方や、ベテランでも女性特有の課題についてまだ十分に学んでいない方々にとっては、こうした知識を得ることで世界観が大きく変わるのではないかと感じています。
私自身も、最初に女性の身体に関する知識を学んだとき、例えば、肩が痛いとか、一見、婦人科的なものとは関係なさそうなところでも、「あれ?怪我した時期がちょうど生理前の時期だな」とか、アスリートの状況や生理周期との関係をチェックしてみることで、「これは単なるフォームの問題じゃないかもしれない」という視点をもつことができるようになりました。
また、特に男性は、世界観が変わると思います。一般の女性、ご自身のパートナーや娘さんなど、アスリートではなくても女性の身体に起きてることは基本的には一緒なので、女性に対しての見方、感じ方、考え方が大きく変わると感じています。女性であっても、多くの人が自分の経験や思い込みで、女性の身体や心を判断しがちですが、1252エキスパート検定を通じて女性の世界がもっと広く深いことを知ることができると思います。

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女子アスリートの身体や心の変化を正しく理解し、寄り添うためには、正しい知識が欠かせません。梅林さんの言葉からは、現場で女子アスリートを支える立場だからこそ見えてくる課題に取り組む姿や、知識をもったトレーナーとしての気概を感じます。ぜひ、みなさんも1252エキスパート検定の学びを通じて、指導者・トレーナー・家族を含め、女性に関わるすべての人がよりよいサポートを、そしてアスリート本人のより良いパフォーマンスを実現するための大切な知識を身につけてみませんか。

<梅林遼太さんプロフィール>
理学療法士/国際PNF協会®️認定セラピスト
埼玉西武ライオンズレディース トレーナー
Baseball5「5STARs」トレーナー
(株)SAPIENS 代表取締役
女子野球医科学研究所 代表

梅林さんインスタグラム:https://www.instagram.com/ryotaumebayashi/
女子野球医科学研究所YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCvC5kkr_5MqKqwCMG43NHBw

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