
伝えられなくても“わかってくれている”と感じてもらえる関係へ
――信頼を育む1252エキスパート検定の学び
現在中学校教諭として、女子学生アスリートに関わる松本琉希さん。大学4年生の時に、「教育現場で絶対役に立つ」と1252エキスパート検定の受検を決めました。今回は、学生時代に検定受検で学んだことをどのように現場で活かしているのか、現役教員ならではの視点で語っていただきました。
ーーーーーーーーーー
—受検のきっかけは何でしたか?
松本さん:
大学4年の時に、桐蔭横浜大学の日比野先生に、こういう検定があるから受けてみないかと声をかけてもらったのがきっかけです。
女子アスリートに関しての活動をしていたわけではなかったのですが、当時、教員採用試験に合格し卒業後はすぐに現場に出ることが決まっていたので、部活や保健体育の授業でも絶対に役立つし、自分のためになると思ったので勉強してみることにしました。
—1252エキスパート検定で学んだことが教育現場でどのように役立っていますか?
松本さん:
部活動の現場では、女子の部活であっても顧問が男性ばかりという体制になることがあります。僕が顧問を務める部活動でも、昨年度は女性顧問が1名いましたが、今年度は男子顧問2人という状況です。そのため、年度初めに、1252エキスパート検定のテキストを使って資料をまとめて、月経や体調について、情報共有をするようにしています。実際に相談が来なかったとしても「先生は理解してくれている」という安心感を子どもたちが持てるようになります。それだけでも、生徒にとっては大きな違いだと思います。
体育の授業を月経のために見学する生徒がいます。中にはストレートに「生理(月経)なので」と言える子もいれば、言いづらそうにして「体調が悪い」「お腹が痛い」「腰が痛い」とだけ伝える子もいます。そうしたときにこちらが「月経なのかな」と察しつつ、特別に詮索せずに対応できるようになったのは、学んだことの大きな成果です。
このように、生徒が安心して体調を伝えられる環境づくりや、こちらが適切に受け止められる姿勢を持てるようになったことは、勉強して本当によかったと感じています。
—中学生と関わる中で見えてくる課題と対応についてお聞かせください。
松本さん:
中学生は月経が始まる前や始まったばかりという頃で、まだ自分の体のことがわかっていないという生徒が多いです。
まずは、生徒自身が自分自身のことを知ることが重要だと思っているので、1年生には、1252エキスパート検定のテキストを使って、月経や体調について、説明する時間を設けています。
その中で、月経に関する基本的な知識だけではなく、実際に女子アスリートで月経に悩んでいる人がたくさんいること、スポーツをやっていると月経が止まってしまうようなことがあるなども、ピックアップして伝えています。
月経についての悩みを男性の私に相談しづらい時は、女性の養護教諭に相談してみたら、と促すこともあります。
—1252エキスパート検定テキストで特に役立ったことや、他のテキストとの違いはありますか?
松本さん:
2章の栄養についての部分、鉄分と貧血の関係など、食事や栄養の取り方のところが役立ちました。
学校の教科書は、月経や周期というような、基本的な情報が主ですが、このテキストは仕組みや背景までしっかり解説されていて、教師側として学ぶときにも非常に役立ちます。
そのため、生徒たちに月経などについて伝える際、「どう伝えようかな?」と考える時に、テキストを開いたり、質問が来た時に答えられるように改めて見直すようにしています。
また、実際の体験談やアンケート・調査結果に基づいた記述も多く、なかなか直接は聞きづらい部分についても知ることができました。読み進める中で、「女子アスリートはこんなことを考えているんだ」という具体的な実態がわかるのも、これまでの教科書との大きな違いだと感じました。

—この検定は、どんな方におすすめだと思いますか?
松本さん:
やはり女子アスリートに関わる方ですね。特に中学校や高校の部活動の顧問の先生はもちろん、今は部活動の地域移行が進んでいるので、地域指導者の方におすすめしたいです。
私自身、女子バスケットボール部の顧問をしていますが、技術的な指導は地域指導者の方が中心に行ってくれていて、私は主に生徒の話を聞いたり、ちょっとしたアドバイスやフォローをしたりする立場です。
こうした現場では、直接選手と関わる地域指導者や、地域移行後の指導に携わる方々にとって、この検定は非常に重要だと感じます。正しい知識を持っていることで、選手のパフォーマンスや健康をより良く支えることができると思います。
ーーーーーーーーーー
学生時代に学んだことは教諭になった今、女子学生への対応に大きく役立っているそうです。部活動は授業の中で、生徒の気持ちや体調に配慮しながら関われるのは、この学びがあったからこそ。今後は、地域指導者として学生に関わる方々にもぜひ受検してほしいとお話くださいました。
ーーーーーーーーーー
<松本琉希さんプロフィール>
湯河原町立湯河原中学校 教論
桐蔭横浜大学で実施した「1252エキスパート検定」プレ受検の様子はスポーツナビの記事でご覧いただけます
スポーツナビ:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/2024031900114-spnaviow