HOME コラム
三宅宏実さん(いちご株式会社 いちごウエイトリフティング部 コーチ)
投稿日 2026.01.20

「自分のことなら多少無理をしてしまう。でも、指導者として大切な選手を預かる立場になると、月経はとてもセンシティブなもの」。
どこまで踏み込んでいいのか、どう伝えるべきか——選手のために役立つ知識を学びたい

オリンピック5大会連続出場、ロンドン銀・リオ銅メダリスト。
元トップアスリートであり、現在は指導者として選手と向き合う三宅宏実さん。
1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定を通して得た学びと、その知識を現場でどう活かしているのか。三宅さんの言葉から、その実践を紐解きます。

ーーーーーーーーーー

1252エキスパート検定を受検されたきっかけを教えてください。

自分自身の知識の幅を広げたいという思いや、新しい発見がありそう、学びたいという向上心が受検のきっかけとなりました。さらに、学んで知識を得たことで、選手やその他の方のために何か役立つことがあればという気持ちも大きかったです。

1252エキスパート検定を通して印象に残った学びや、考え方の変化はありましたか?

1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定テキストブックを読んでみて、いろんな情報が集まった1冊になってるな、と思いました。その中でも、私は第4章と第6章が印象に残りました。

栄養について書かれた第4章は、エネルギーがきちんと足りていないと月経やパフォーマンスにも影響するということと、栄養の計算方式が書かれていました。講習でも習ったことはあるけれども、学ぶ姿勢がある今だからこそ、改めてこのテキストを読むと理解が深まりました。

実際に、自分に置き換えて計算してみたり、抱えている選手の栄養が足りているのかを改めて計算してみたりしました。糖質の部分のところや、エネルギーが足りているかというところは、自分自身もすごく興味深く、しっかりと勉強することができたと思っています。

例えば、糖質については、テキストに出てきた計算式に当てはめると、体重50kgの選手の場合、運動量に応じて300〜500gは摂らなければいけない。最初は、「ご飯を1日でどれくらい食べたか」という量のイメージだけで考えてしまっていたんですが、計算式で考えると、ご飯一杯が約150gで、糖質量は51gほど。そう考えると、「これは結構たくさん食べないといけないな」という気づきがありました。

そういったこともあって、自分から率先して計算するようになった、というのも収穫のひとつです。

また、貧血を持っている選手はすごく多いのですが、貧血の場合、息切れや動悸、めまい、立ちくらみといった症状が出ることもあります。

でも、こういったことを知っておかないと、ただの運動不足として片付けてしまいがちになる。
そこはすごく危険な、紙一重のラインだなと感じました。

そういった点についても、このテキストに書いてあるとおりで、いろんな科学的な視点が必要だと思いました。

コンディショニングについて書かれた第6章では、心拍数や睡眠の状態、体重、朝の基礎体温などを記録することが大切だと感じ、選手に実際に記録を取ってもらうようになりました。

学んだ内容をどのように活用していますか?

学んだ内容を元に自分でコンディショニングのチェックシートを作成し、選手とコミュニケーションを取りつつ活用しています。
毎日つけることは負担になってしまうこともあると思うのですが、その中で、できるところをピックアップして絞っていきながら進めています。
心拍数や睡眠の状態がどうだったか、体重、朝の基礎体温などを測ることは、その日その日の体調管理につながると感じています。
私は2025年の9月に1252エキスパート検定を受けて、選手には9月から記録をつけてもらっているのですが、数字に変化が見られるようになりました。
その中で、選手自身も数字を見て、「このときはパフォーマンスが落ちているね」「このときはいいよね」と話すようになり、データとして可視化されたことで管理しやすくなったと感じています。
今は、このテキストを通して学んだ、心拍数やコンディショニングの考え方を選手の指導に活用しています。

栄養や月経、コンディショニングなど様々な知識を活用して、少しでも選手のパフォーマンス向上に繋がるようにに取り組んでいきたいと思います。

自分のことなら荒っぽくなってもいいけれど、預かっている大切な選手を指導する上では丁寧な対応や気配りが必要

月経との向き合い方は、アスリートの時と指導者の時で変わりますか?

自分のことだと、結構荒っぽくなってもいいと思ってしまうことはあるんですが、いざ指導者となると、大切な選手を預かって指導していく上で、月経は、すごくセンシティブなところでもあると思うので、どこまで踏み込んで聞いていいのか、伝え方や接し方などに気を配るようにいています。変に誤解されてもいけないこともあるので、自分のこと以上に気を使うようにしています。

これから受検を検討している方に向けてメッセージをお願いします

指導者として、アスリートの悩みや不安に寄り添いながら、前に進むための学びが、このテキストにはギュッと詰まっていますので、1252プロジェクトをきっかけにぜひ自分の体や心を知る一歩を踏み出してみて欲しいなと思います。
私も、今年1級にチャレンジしたいと思っています。

ーーーーーーーーーー

<三宅宏実さんプロフィール>
いちご株式会社 いちごウエイトリフティング部 コーチ
Xアカウント @ichigo_group

カテゴリ一覧

ページトップへ